春藤大友本 二巻 二十五頁 解読テキスト      画像へ

▼赤字は春藤による朱筆記入   ▼青字は黒筆記入(春藤)      ▼***は虫食い等(春藤)    ▼@AB…は筆者注位置    ▼宗像本リンク
[右]
まのこやねの命 ふとのりとごと ねぎまして かむほさぎ ほさぎたま    
イき  
@こゝに とこよのながなきどりを あつめて たがイに ながなきせしめ あ 
まのたちからをの命を いわとのきわに かくりたゝして Aあまのうすめ
の命 かむあそびのをさとし えらぎのえらぎのかむたちをひきて あめのかぐ
やまの あまのひかげを かつらとし あめのまさきを たすきて さゝはをた
ぐさに ゆイて てに さなぎつける ほこをもち いわやどのまエに うけふせ
て ふみとどろこし かむがかりなして まゐましき ひと ふた 三 四 五 六 七
[左]
八 九 十 百 千 萬と いふて あイともに うたイ

 あなにやし あなうれし あなとほと あなをもてしろ

とむなぢを かきいで もひもを ほどに をしたれき かれ たかまがはらに
どよみて やほよろづのかみたち ともに わらイき
これのとき しばを さわにつみて ひをはなちて にわひとし うたにあば
して ふエふき ほらぶき し つづみうち ことひき あイとこ いとこをうち
このね いとたエに いさきよくありき
Bこゝに あまてらすすめおほかみ あやしと おもほし あまのこやねの  
命の ひろきあつき ただエこと のみまをすを きこしめして のりたまイ
 
【注】 @宗像本四綴三章「諸神は正装して女神招来を待機」に対応し、ともに「古史成文54段」の冒頭部分に一致する。
「古史成文」もそのままAに続いているが、宗像本ではこの部分にウエツフミ独自の文章が挿入されていて、
Aの文章は次の四章「アメノウズメの舞い」の冒頭に置かれている。
Bも宗像本四綴五章「日の神の再臨」に対応して、ともに「「古史成文56段」」と同文。
この部分は、大友本と「古史成文」の関係を強く示していて、「六節 大友本原本の制作時期」の判定材料の一つともなる。