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[右]
まのこやねの命 ふとのりとごと ねぎまして かむほさぎ ほさぎたま
イき
@こゝに とこよのながなきどりを あつめて たがイに ながなきせしめ あ
まのたちからをの命を いわとのきわに かくりたゝして Aあまのうすめ
の命 かむあそびのをさとし えらぎのえらぎのかむたちをひきて あめのかぐ
やまの あまのひかげを かつらとし あめのまさきを たすきて さゝはをた
ぐさに ゆイて てに さなぎつける ほこをもち いわやどのまエに うけふせ
て ふみとどろこし かむがかりなして まゐましき ひと ふた 三 四 五 六 七 |
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[左]
八 九 十 百 千 萬と いふて あイともに うたイ
あなにやし あなうれし あなとほと あなをもてしろ
とむなぢを かきいで もひもを ほどに をしたれき かれ たかまがはらに
どよみて やほよろづのかみたち ともに わらイき
これのとき しばを さわにつみて ひをはなちて にわひとし うたにあば
して ふエふき ほらぶき し つづみうち ことひき あイとこ いとこをうち
このね いとたエに いさきよくありき
Bこゝに あまてらすすめおほかみ あやしと おもほし あまのこやねの
命の ひろきあつき ただエこと のみまをすを きこしめして のりたまイ |
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【注】 |
@宗像本四綴三章「諸神は正装して女神招来を待機」に対応し、ともに「古史成文54段」の冒頭部分に一致する。
「古史成文」もそのままAに続いているが、宗像本ではこの部分にウエツフミ独自の文章が挿入されていて、
Aの文章は次の四章「アメノウズメの舞い」の冒頭に置かれている。
Bも宗像本四綴五章「日の神の再臨」に対応して、ともに「「古史成文56段」」と同文。
この部分は、大友本と「古史成文」の関係を強く示していて、「六節 大友本原本の制作時期」の判定材料の一つともなる。 |