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第3章  狭依科の土蜘蛛を退治
 ここに さよりしぬのくにたけるのおむとまイきてまを
す くにのおくに としのはに うつど みたり よたり
 やまににればうせぬ こぞゆ ひと さわにうせ
て おおくおみななり おとこハまれなり と まをす 
ここに あまつみこひめのみこと たかつかみたちに はか
りたまイてのりたまわく さよりしぬのまがものをやら
イて くにむけなさめ そのまがもの おみなをとれる
よし きこエぬ かれ あとははとふたりいきてやらわ
に と のりたまいき かれ たかつかみたちくぶ
らし うべじとウて さらに おみたちのきたしの
たちからめをつどイて いかしたまエ とまをす かれ
 うわはるとみヤひこのみことのきたし とみヤひめのみことハ
 をましのとうてねのたちからなるひめかみなり ふとたまあか
りかねのみことのきたし やくもひめのみこと しかしか々のひめかみなり
 なをびかむあきのみことのきたし よざひめのみこと しかしか々 み
ほこそがべのみことのきたし たまきのいりひめのみこと しかしか々
 しをつちみヤねのみことのきたし ひなひめのみこと しかしか々 いく
たまやなをひこのみことのきたし やなをひめのみこと しかしか々 ささ
つつるぎねのみことのきたし とこやまひめのみこと しかしか々 あわな
きさくらとじのみことのきたし さくらひめのみこと しかしか々 これ
のやはしらのひめかみの とこよのますらをにすぐれますかみ
を やらイでのおもでのかみとなし また よさきを
 あかりたつあめのさかほこのみこと また おみのかみたち ひろ
ほこすがたけのみこと きちかみたたすのみこと しらはよろづでのみこ
と はつちいしづのみこと みかつちこづたまのみこと いわさくみたら
しひこのみこと ふつあさじりのみこと いかつちぬほエのみこと これの
やはしらのかみたちを よさきをのみことのまそエのかみと
たたゑて ふたそちたらゐかみたち ともに おおみヤをつで
させたまイて しぬびて さよりしぬのくにのおくつの
みぬちの はせたきがむろヤににらせたまイき 
かれ はせだきのかみ さよりひこのみこと さよりひめのみこと 
おおみあエにいつきまつりき ここに あまつみこひめ
のみこと なめに やはしらのひめみこ ともになめしき
 おみなのすがたにならせたまイて みてにハ くさか
りのとかまをとらし みはかせるつるぎを たかおこ
のなかにとりおさめて せかたおことなしてささめき
 やまぬにわけにりたまウに いと みヤびたる
おとこのきたりてものいウ こゆおくつに いづくささわなす
 あれ むかつかにとウ いくあとゆしたイいき み
そなわすに みたにのかなたにふとむろあり そのむろ
のうちより ひといでてまねき よびにれき かれ そ
のうちをみそなわすに おおなるひと まなかにくらな
し とのどいくたり そのしもつべになめり ここ
に そのおおなるひと ものいウ いまし ここにきて 
あれをいつけ とウ かれ あまつみこひめのみこと おもほ
でり いからしたまイて あハあめのしたをしらす
あまつひたかのみこなり あがしるくにのうつどに 
なにとかも あだなす とウて おおなるまがどがもた
エるかさみに たたせたまイて くえはららげま
せば みな ことこと々に にげわす ましばしありて
 あめふるがごと えばいと そらゆ くだりて こくさとも
にちちまく かれ あまつみこのみこと おおむなはか
せゆ ひをきりでませハ はらくさもエて ひに
なりき かれ そのえばいと やかエうせて ほらかゐ
のまほらゆ やまなすつちくも まイでてくぞぐる
 かれ みこと つるぎをぬかし すだすだ々 きりはなしこし
たまエば これのまがらゐ うしなすつちくも さわ 
まイでてくぞぐる かれ ひめみこ きたしたち 
たたかゐたまウときに よさきをのみこと やはしらのかみたち
 ともにたたかイまして みなにうちころし すてたま
イて そのしかばねをみたにに ことこと々 なげにれたま
イき かれ そのしかばね ひとよに うぐめきてあがりて
 やまとなる くむやまこれなり