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第１６章　　天津御子、対馬に行幸
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あまつひのみこみことくにべ
1　  ここに天津日之御子の命国廻ましたま
さてよりくにつでときくにはせ
2　  イて狭手依の国に往ませる時に国の覇精
だきかみさてよりひこみことさてよりひめみことみあエ
3　  高の上狭手依彦の命狭手依姫の命御饗
しろまつつりふねさわふなあそ
4　  代に奉らにとウ釣船を多なして船遊びま
いつおおつちさだもり
5　  つりて斎きまつるここに大土佐多守の
みことあまつひのみこみことみふねの
6　  命ハ天津日之御子の命を御船に乗らせま
うなつみ
7　  つりてその海魚を釣れる見そなわしたま
※
おもしろうなえばく
8　  ウにいと面白く海魚餌を喰らイてあ
※
あまつひのみこみことみうたうた
9　  がらぬれば天津日之御子の命御歌歌わ
10　  したまイき
うみつあま
11　  これの海釣りする海人が
さきかかちと
12　  先駆けに勝を取るらし
さわえばうな
13　  多なす餌海魚ハ
うたかれうなかち
14　  と歌イたまイて故これの海魚を鰹
をうなウさたもりみことうた
15　  海魚と言佐多守の命歌イたまわく
おくつうなばらつひとさわ
16　  沖津海原釣りする人が多なすか
えばくうなさわ
17　  餌食ウ海魚が多なすか
なつりびと
18　  その魚釣人さヤ
※
くにたけるむろヤいたの
19　  また国建が室屋に至り告りたまわく
くにあくに
20　  これの国ハいと明かくしてかかまく国か
※
のかれことこかかまお
21　  もと告りたまイき故此所を鏡の小
※
くに
22　  国といウ

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