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第８章　　イナヒは三韓国軍との海戦を指導
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とつよみからくにやそふねな
1　  ここに外津世の三韓の国の八十船を並
ひけさてよりおかかれみいくさふ
2　  めて日に異に狭手依を侵す故御軍船
ねはきふねことことまがいでき
3　  泊たすと聞きて船の尽々の禍ら出来て
みいくさひとしなたたかまがどいく
4　  御軍頓頻き並みに戦ウ禍らゐ人幾そ
ばくうしもみなおのの
5　  許討たれ死にきこを以て皆己が乗
こふねににおおきみいな
6　  り越す船に逃げ入りきここに大君稲
イみことおおきたはやすゐどうつどえご
7　  飯の命ハ大分の速吸門の現人江子のさま
※
よろこまよろたろよろふろよ
8　  四郎これが子孫四郎太郎四郎二郎四
※
ろみろよろよろいつたりめ
9　  郎三郎四郎四郎これの五人を召さして
いまよしばかれあれおおふね
10　  今ぞ良き時にあれ故彼の大船にこそ
づだふねつか
11　  それの将ハあるらめこれの船を仕まつれ
ウいつたりおやはらからあかはたか
12　  と言にこれの五人の親兄弟赤裸になりて
さつものもみふねへごおおわだ
13　  得物を持ちこれの御船の艫越しゆ大海
なかさかおいひとごとやつたす
14　  中に逆さま落ち入りき人毎に奴を救け
ささかれしかあらや
15　  にと騒ぐ故こハ然に非ずとウに止み
※
かれしばみからくにづだの
16　  ぬ故暫しありて三韓の国の将が乗れる
ふねまがふどらくみなわきふねの
17　  船の禍ら人楽なして皆脇船に乗り
※※
うづふねまそこうしをこに
18　  移りなすとしその船の真底ゆ潮込み入り
※※
みづびたのこまがみづおぼ
19　  て水浸しなし残る禍らゐ水に溺れて
みなしはやすいうつどみづくくしと
20　  皆死にきこハ速吸の現人が水潜術な
かれふなそこたぬ
21　  して彼が船底を断ち貫きたればなりこ
みみからふねふねおそほあに
22　  を見て三韓の船々恐れて帆上げて逃
わかれみいくさおういそは
23　  げ走す故御軍追イ討ちなさにと勤労ぐ
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