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第６章　　牛馬の育成
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うがのみたまひこみことうがのみた
1　  ここに宇迦之御魂比古の命宇迦之御魂
※※
まひめみことみこかつちひらかみひこみこといもよ
2　  比売の命ハ御子の香土開上比古の命妹吉
※※
ちぢひらをかひめみことめあまてらすおおみかみ
3　  道路開岡比売の命を召さして天照大御神の
みことものいましかみみたつもの
4　  御言以て告りたまわく汝神ハ水田津物
ぢはたつものぢつくときたすみちか
5　  地畑津物地を作らに時の扶けとならに御力
らさわつくおかれとき
6　  多なるものを作り生ゐえよ彼の時そを
たにまかのかれ
7　  廻み入れて賄なエと告りたまゐき故
かつちひらかみひこみこといもよちちひらかみひめみこ
8　  香土開上比古の命妹吉道路開上比売の命
※
とおおそらのみひたりみ
9　  ハやがて大空にほほ鳴りて御左の御
※
あしやすすはこけむはらつち
10　  脚を八進に張りて苔産す原土をなゆら
※※※
はらつちたけたけおご
11　  なゆらに原土を建び建びに厳ろになせ
※
さかみけものなみみぎりみあし
12　  ば狭髪なる毛物成りきまた御右の御脚
※
やすすはこけむはにつち
13　  を八進に張りて苔産す埴土をなゆらな
※
はにつちな
14　  ゆらに埴土をゆくらゆくらに和うらし
※
つぬけものなあまてらすお
15　  ませば角なる毛物成りきここゆ天照大
おみかみみもとかつちひらかみひこみことよちぢひら
16　  御神の御許に香土開上比古の命吉道路開
をかひめみことあほおおかみそな
17　  岡比売の命天昇しまして大神に供エまつ
かれをたけをめ
18　  る故雄の建びになるものハ雄なり雌の
たけめたたごと
19　  建びになるものハ雌なりとウて称エ言ま
おおみかみみこといたよほ
20　  をす大御神の命甚く嘉み寿ぎたまイて
のあをひとくさたす
21　  告りたまイつらくこハ青人草の扶けと
けものいましの
22　  なれる毛物になもあり汝これに乗りてみ
のうべふたはしら
23　  よヤと告りたまエば諾とウて二柱の
かみたたさがみけものををめ
24　  神直ちに狭髪なる毛物に男ハ雄に女
めまたのめぐ
25　  ハ雌に跨げ乗り巡らしつればかららから
※
いさぎよかかれおおみかみとみ
26　  らと潔に駆けりなしつ故大御神頓
よろこのからちからおウ
27　  喜ばして告りたまわくこハ体力多く
うまわのかれ
28　  て巧く走すかもと告りたまイ故こ
けものうまふたはしらかみ
29　  れの毛の物を馬といイまた二柱の神
つぬけものうの
30　  角なる毛物に打ちこじり乗りましつれば
※
てていめぐ
31　  てほろてほろと滞ぶれて往き廻れば
※※
おおみかみみことうれよろこの
32　  大御神の命嬉しみ喜ばして告りたま
※
さきけものおやちからよ
33　  イつらく先の毛物と同じ力や良けれど
ちいととうしか
34　  道往きハ滞に憂しくこそあれ然なれど
※
たなつちかまめ
35　  こハ田乃土耕ゑしハ忠励たちならに
のかれつぬけものうしな
36　  と告りたまイき彼の角なる毛物牛と名
づとき
37　  付けまたまめゐともいウこれの時に
※
おおみかみみことみこともうがのみたまひこ
38　  大御神の命の御言以ちて宇迦之御魂比古の
みこといもうがのみたまひめみことふたはしらかみ
39　  命妹宇迦之御魂比売の命二柱の神に
ことよたたかつちひらかちひこみこ
40　  言依さしたまゑば直ちに香土開上比古の命
※
とよちぢひらをかひめみことうまうしひ
41　  吉道路開岡比売の命ハ馬と牛とを引き
こしねわけしらかゑあも
42　  て越根別の白加恵に天降りましてこれ
※
たねしむさわさわくにくにくにしま
43　  の種を敷き産さし多々に国の国々島
しましまま
44　  の島々に蒔かしましき
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