春藤倚松 里帰り史料展(平成18年4月1日〜5月28日) 臼杵市 陶瓷美術館 |
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臼杵藩の国学者春藤倚松の遺した史料が、このほど臼杵市に春藤家から一括寄贈された。この中に春藤倚松が書写した「上記」の写本がある。この写本は長い間春藤家では門外不出の書として大切に保存され、数少ない「上記」研究者にも閲覧を断ってきたものである。今回臼杵市文化財保護委員吉田稔氏をはじめとする文化財関係者の尽力で市の登録文化財指定が決まったことで、他の史料と一緒に臼杵市に保護を託すことが決意されたということである。 春藤倚松が大友本「上記」を書写することになったいきさつは当ホームページ 「年表:うえつふみの発見」 をご欄ください。 現在吉田氏らの手で倚松の日記、手紙等の史料類の整理が進んでいる。「うえつふみ」書写時の様子が明らかになってくるものと思われる。 また臼杵市の陶瓷美術館で開かれている「春藤倚松 里帰り展」では今回登録文化財に指定された春藤本とともに昭和10年神代文化研究会刊行の「上記」も展示されている。これは野津町の故安藤一馬氏が竹田市の橋爪家に残された「宗像本」を書写した「安藤本」が下地となっている。田中勝也氏は「うえつふみ」の解読作業にあたってこの安藤本が橋爪本と完全一致していることを確認した上で安藤本を主要史料とした。この安藤本は安藤氏の死後安藤氏夫人により旧野津町に寄贈され現在は野津町公民館に保管されている。田中氏の「註解上紀」の刊行でこれからの「うえつふみ」研究にはずみがでることが期待される。 |
![]() 今回登録文化財に指定された「大友本」と「宗像本」の写本 |
![]() 田中勝也氏の「註解 上紀」(平成17年6月刊行) |
![]() 神代文化研究会刊「上記」(昭和10年) |